ビジネススキル向上術

人事考課とは?メリットデメリットも解説

戦後の日本経済の高度成長を支えた終身雇用制度が、その後のバブル崩壊による業績の低迷で盤石ではなくなって現在に至っています。

業績が伸びない状況で企業間争が激化して成果主義を取り入れた人事考課が注目されましたが定着せず、現在は終身雇用制度を踏襲しつつ人事考課も取り入れる施策の試行錯誤の状態と思われます。

人事考課を行う手順

人事考課は人事評価と同じ要素を含みますが、人事評価が業績の良し悪しにウエイトを置くのに対して人事考課は個人の処遇にウエイトを置き企業と従業員の関係を築き従業員のモチベーションにつながる制度と言えます。

人事考課は一定の期間で従業員の能力を評価するもので、昇進や異動、賃金管理や人材育成などで活用されます。

人事考課は、目標の設定と自己評価と上長評価、上長から本人へのフィードバックの3つの手順があります。

①目標の設定

人事考課の最初の手順は目標を設定することで、社員と上長が話し合ってお互いが納得するできるだけ定量的で努力すれば達成できそうな目標を設定します。

会社全体の目標が部門に落とし込まれ各社員の目標になるので納得することが難しい目標も考えられますが、しっかり議論をして部門も個人も達成できる目標を考えます。

転職コンダクター
転職コンダクター
会社方針が部門の目標で落とし込まれているので、個人の目標も部門に共通の課題として取り組む必要があります。

②自己評価と上長による評価

次の手順の目標の達成や能力発揮については、自己評価をした上で上長が評価をします。この段階では上長と本人の評価基準が異なりトラブルになることも考えられます。

そこであらかじめ人事部門が評価基準について設計をして、明確にしておくことが重要になります。

そうすれば評価基準が曖昧で本人が納得しないままに上長が評価を大きく変えてしまうリスクが軽減されて、評価に対する本人の不満が残ることが少なくなると思われます。

③上長から本人へのフィードバック

3番目の手順は上長から本人へのフィードバックで、面談により評価結果を説明することや具体的な質疑応答でお互いが評価の内容を共有します。

何が達成されていて何が達成されていないのかを明らかにして来季に向けてどのように改善するのかを話し合い、上長が本人を育成する機会にすることが重要です。

評価結果を伝えるだけでなく評価の根拠を明確に示すべきで、特に目標を達成したのに評価が高くない場合の説明は大事になります。

人事考課の指標

人事考課の指標となる評価項目は、業務に対する姿勢や業績、能力になります。業務に対する姿勢は情意考課と呼ばれ、マナーや規律性、積極性や責任性、協調性などの項目です。

業績考課は会社や上司の要求に対する成果で、会社や所属部門の事業計画の達成にどれだけ貢献したかが評価されます。

能力考課は会社が定める資格等級の職能要件の能力レベルの評価で、業務知識や判断力、企画推進力や折衝力、スキルや指導力などの項目です。

人事考課の留意点

人事考課は企業が行う従業員に対する評価で職能資格制度や賞与の決定などで大きな役割がありますが、人事考課が差別に基づき行われると違法とされる場合があります。

たとえば人事考課が法律上禁止される国籍や社会的身分、組合活動や性別などを理由に行われた場合、法令に違反することになります。

評価が著しくバランスを欠いて権利濫用に該当する場合や、人事考課に関する就業規則などの労働契約に反する場合にも違法とされます。

人事考課制度の策定

人事考課制度は給与を決めることだけでなく、上長が部下と話し合うことで人材を育成するための効果的な方法であるとも考えられます。

社員のモチベーションは給与がアップすることで上がる面もありますが、上長が面談をして部下を育成することで上がる面もあります。

社員の働く意欲を面談で喚起しながら、年功序列の人事考課ではなく成果主義も取り入れた生産性を上げる人事考課制度を策定することが必要になっていると思われます。

人事考課と人事評価の力点の置き方

人事考課と人事評価を比較すると人事考課はフォーマルな制度に関わり人事評価は従業員の業績を判断する場合が多く、力点の置き方が異なるようです。

人事考課は従業員の賃金や処遇、昇進や昇格による等級の決定などで用いられ、人事評価は従業員の業務を評価して育成や配置に用いられることが多いようです。

実際には人事考課を能力開発や人事異動の参考にするケースもあり、人事考課は人事評価と同じ意味に考えられると思われます。

人事考課導入の目的

人事考課導入の目的は客観的で公平な報酬の分配や昇進を決定することで、適正な人事考課の実施で様々のメリットが得られます。

まず上司と部下の上下関係で評価や処遇が決まる不公平感を取り除いて従業員の納得感を高めることができ、評価基準が明確化され会社の方針を共有できます。

フィードバックにより上司と面談の機会ができて従業員が改善すべき点を指摘する場が生まれ、自分の足りない面も分かり能力開発のヒントが掴めます。

まとめ

人事考課制度による公平な報酬の分配や昇進の決定の明示は、会社方針と従業員の人事評価制度による共有の意義があると考えられます。

人事考課により上司と部下が面談を行うことで、意思疎通やコミュニケーションができて部下の育成をはかることも可能になります。

会社の発展のために人事考課制度の導入が重要だと思います。

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